![]() 宙に浮いた言葉たちは、 なんだかとても心地の良い、 相槌だったのかもしれないね。 いつまでもどこまでも、 地に足の着くことの無い、 そんな人間で在り続けるのも悪くはない。 言ったきみの横顔を、 どうしても忘れることができなくて、 こんなところへ来てしまった。 飲み終えた空き缶へ吸い終えたタバコを入れた。 ジュウッ カンッ カランッ カランッ カラカラカラカラ 蹴飛ばした空き缶は、 寂しそうに転がってそしてひとりぼっち。 カンッ カランッ カランッ カラカラカラカラ 蹴飛ばされた僕も、 寂しそうに転がってそしてひとりぼっち。 またひとりぼっち。 # by can-you-hear-us | 2007-10-16 00:31
![]() その場所にいつまでも留まっていたい。 とても柔らかな灯りに覆われた一角が、 唯一僕の救われる場所だった。 擦り切れたジーンズのポケットから小銭を探り出し、 広げたテノヒラに380円。 ホットコーヒーを続けて3回押した。 或いはとても大袈裟な音を立てながら、 滑り落ちてきたのかもしれない。 しかし僕には、 音ひとつ立てることなく、 柔らかな灯りを柔らかな灯りのままに、 3つのホットコーヒーがそこに無造作に滑り降りてきたように思えた。 とても素敵な月明かりの降り積もる、 とても素敵な夜に、 乾いた音を響かせて、 そのうちのひと缶を僕は開けた。 自販機の灯りの届く末端で、 ふかふかな布団をささやかに敷き、 首まですっぽりくるまりながら、 いつまでもいつまでも 属していたかった。 まぶたが重かろうと、 全く関係のないこと。 破れたジーンズから覗く両膝がとても乾燥していた。 # by can-you-hear-us | 2007-10-15 01:26
![]() 十数年ぶりに泣きたくなったんだ。 誰かの側で、 うつむいて。 なんとなく流れてくるオーディオからの曲が終わり、 どのくらい経ったのだろう。 検討もつかない。 でも、 泣き方なんて憶えちゃいない。 泣き方なんて憶えちゃいない。 恐らく僕は泣かないのだろう。 腰を屈め、自販機の釣銭を手探りしているとき、 押し潰されそうになり、 仕事帰りの車のドアを閉めた瞬間、 漠然とした不安に駆られ、 吐き出したタバコの煙が流れ去り、 明るい月をただただ眺め、 丸くなっていた駐車場の猫が、 とても気だるい欠伸をしても、 恐らく僕は泣かないのだろう。 強い人間になんて、なるんじゃなかった。 # by can-you-hear-us | 2007-10-13 23:34
![]() 夕焼けが街全体をオレンジ色へ染める頃、 7年前のどんよりとした6畳間にも、 ささやかな優しさが注ぎ込んでいた。 無精髭の僕の顔も、 恐らくオレンジ色に照らされていた。 何を求めるでもなく、 ただ只管に僕で在り続けたのは、 それが間違っているのだとか正しいのだとか、 そんな小さな問題のみにあらず、 個体としての強さが欲しかったから。 群青に覆われた山裾を、 とても鮮明に覚えてる。 とても鮮明に覚えてる? # by can-you-hear-us | 2007-10-04 00:36
![]() 3日続いた雨の、ようやく上がった昼下がり。 新しい季節の始まりはいつも突然だ。 僕は、 いつものそれより深くまで吸い込み、 タバコの煙をゆっくりと吐き出した。 例えば7年前だとして、 僕は同じようにゆっくりと遊戯せる。 あたかもそれが当然の行いであるかのように、 僕なりの礼を込め、 懐かしいとも新しいともとれるような、そんな曖昧な感情を確かめるように、 タバコの煙をゆっくりと吐き出したのだろう。 とても長い間、空を眺めていたらしい。 # by can-you-hear-us | 2007-10-02 00:04
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